お散歩
休日の午後。
ポカポカひよりの中、足取りの危うい息子の手を引いて河原をお散歩。
背の高いムウにとって自分の膝ほどにしかない子供に合わせるのは腰も曲がって結構疲れる。
しかし手を放せばキラが転ぶのは目に見えている。
時々こけそうになってムウが繋いだ手で支えてあげているのだ。
黄色いアヒルの顔がついた靴からは歩く度にピッピッ…という音がなってキラのお気に入りだ。
「パァパ」
5分程歩いた所でキラは大きな瞳をウルウルさせて見上げ小さな手を精一杯伸ばしてきた。
これは【だっこ】をねだる時のポーズ。
こんな瞳でねだられたら聞いてやるしかないのだが、ムウは思い止まった。
『これからはできるだけ自分の足で歩かせましょう』
つい先日マリューと決めたキラの教育方針だ。
甘やかしてばかりではキラの為にならない。
ムウは心を鬼にして、というより甘やかしたい自分と戦いながら
しゃがみこんでキラと目線を一緒にする。
「キラ。アヒルさんはまだキラと歩きたいって言ってるぞ」
キラの靴を指差して言う。
「うー?あるきたぁーの?」
「ああ。キラが歩かないとアヒルさんは鳴けないからな」
靴をよく見ようとして足を踏み込んだからまたタイミングよく靴がピッと鳴った。
ほー、と靴に釘付けになりながらもキラは歩き出した。
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